統合失調症に対する家族介入

統合失調症を持つ人々は、家族の高いレベルの感情表出(敵意や批判、過剰な感情的巻き込まれ)がある場合、それが低い傾向の家族と比較して、より再発を経験しやすい。家族内の感情表出を減らすために利用可能な、いくつかの心理社会的介入(教育、支援、マネジメントなど)が存在する。このレビューでは、統合失調症や統合失調症様の疾患を持つ人々のケアのための、地域における家族向けの心理社会的介入の効果を調べた。

研究はヨーロッパ、アジア、北アメリカで行われ、研究によって家族介入の形式は異なっていたが、研究デザインに明確な違いは無かった。結果は、家族介入が再発のリスクを減らし、服薬コンプライアンスを向上させる可能性を示していた。しかし、データの報告がしばしば不十分だったため、そのようなデータは使用できなかった。このケアの形式は広く用いられているため、短期的および長期的なアウトカムを正しく明らかにするための、さらなる研究を行うべきである。

訳注: 

《実施組織》 五十嵐百花 翻訳, 佐藤さやか 監訳 [2020.8.24] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域・司法精神医療研究部(以下、NCNP精研地域部;cochranereview.ncnpcmhl@gmail.com)までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。NCNP精研地域部では最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD000088.pub3》

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