分娩中の胎児機能不全に対するピラセタム

ピラセタムは、脳細胞の酸素供給が不十分な場合(低酸素)に脳細胞の代謝を助けると考えられている。そのため、分娩中に胎児機能不全状態が持続した胎児に対する有害な作用を予防する可能性がある。 本レビューは、分娩中、胎児機能不全が疑われる場合、分娩法と新生児の疾患への影響(罹病率)に対するピラセタムの効果を評価することであった。1件の比較試験のみを同定した。本試験では、女性96名をピラセタムまたはプラセボにランダムに割り付けていた。ピラセタム投与は、分娩方法として帝王切開の必要性を低下させ、呼吸器疾患と低酸素徴候を示す新生児のアウトカムを改善させる傾向にあった。本試験では母体に発現した副作用の情報を示していなかった。意味のある結論を出すにはエビデンスが不十分であった。

著者の結論: 

分娩中の胎児機能不全に対するピラセタムの使用を評価するエビデンスは不十分であった。

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背景: 

ピラセタムは、脳細胞が低酸素状態の場合の代謝を促進すると考えられており、胎児機能不全の有害な作用を予防するために用いられている。

目的: 

本レビューの目的は、分娩で胎児機能不全が疑われる場合のピラセタムの分娩法と周産期罹病率に対する効果を評価することであった。

検索戦略: 

Cochrane Pregnancy and Childbirth Group's Trials Register(2012年2月15日)を検索した。

選択基準: 

分娩中に胎児機能不全が疑われる場合のピラセタムの効果をプラセボまたは無治療と比較したランダム化試験。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが適格性と試験の質を評価した。

主な結果: 

女性96名の1件の研究を選択した。プラセボに比べてピラセタムは帝王切開の必要性を減少させる傾向にあった(リスク比0.57、95%信頼区間0.32~1.03)。新生児罹病率(新生児呼吸窮迫による指標)およびアプガースコアについても、ピラセタム群とプラセボ群に統計学的な有意差はなかった。

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