妊娠中の静脈瘤および下肢浮腫に対する介入

妊娠中の静脈瘤や下肢浮腫の治療法については、十分なエビデンスがない。

静脈瘤は、血管壁にある弁が弱くなり、血液が停滞することで生じる。これは静脈の循環障害をもたらし、浮腫(むくみ)や腫脹(はれ)につながる。静脈は、やがてその壁が伸びてたるみ、皮膚表面の近くで小さな風船のように膨らんでいく。下肢の静脈は重力に逆らって働いているため最も影響を受けやすいが、外陰部(腟口)や直腸も影響を受け、結果的に痔になってしまうこともある。妊娠すると静脈瘤のリスクが高くなる。静脈瘤によって、強い痛みや夜間のけいれん、しびれや刺されるような痛みが生じたり、足が重く痛く感じたりするほか、見た目もあまり良くない。静脈瘤の治療は通常、薬物治療、非薬物治療、手術の3つに分類される。本レビューでは、326人の女性を対象とした7件の試験を特定した。ルトシド(訳者注:フラボノイドの一種)が症状の軽減に効果があることを示唆するエビデンス(中程度の質)はあったが、この研究はあまりにも規模が小さすぎるため、その結果に確信を持てるものではなかった。同様に、リフレクソロジーや水に浸かることも効果や有害性を評価するにはデータは不十分だったが、効果が期待できそうであった。着圧ストッキングにはメリットがないようである。さらなる研究が必要である。

訳注: 

《実施組織》杉山伸子、内藤未帆 翻訳[2020.09.17] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD001066.pub3》

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