重度喘息増悪の小児において、静注アミノフィリンをβ2刺激薬およびグルココルチコイドに追加すると(抗コリン薬の使用の有無を問わず)、治療の6時間以内に肺機能が改善する。しかしながら症状、噴霧治療の回数、入院日数に明らかな減少はない。酸素化、PICU入院、機械的換気への影響を評価するにはエビデンスが十分でない。アミノフィリンは、嘔吐のリスクを有意に上昇させる。
吸入β2刺激薬、抗コリン薬、グルココルチコイドの出現以来、小児急性喘息におけるアミノフィリンの役割は余り明確でなくなっている。アミノフィリンは、最大限の治療(酸素、吸入気管支拡張薬およびグルココルチコイド)を受けている急性重度喘息の小児において有益であるとするある程度のコンセンサスが依然としてある。
静注アミノフィリンの追加が、従来の治療を受けている急性重度喘息小児に有益な効果をもたらすか否かを判定する。
Cochrane Airways Group register of trialsにより関連性のある研究を同定した。最新の検索は2004年12月に実施した。
小児における通常のケアに加え静注アミノフィリンをプラセボと比較するランダム化比較試験が選択基準を満たした。
2名のレビューアが別々に、研究を評価しデータを抽出した。試験の選定の不一致は合意により解決した。データの正確性を確認するために著者に問い合わせることを試みた。
7件の試験が選択基準を満たした(参加者380例)。研究手法の質は高かった。すべての研究は、急性重度喘息で入院を必要とする小児を採用していた。6件の研究で、短時間作用型噴霧β刺激薬に反応しない参加者を対象として求め、参加者にステロイドを全身投与した。小児のうち何例かに肺活量測定を実施することができた2件の研究では、ベースラインFEV1は予測値の35~45%であった。アミノフィリンをステロイドおよびβ2刺激薬に追加すると、FEV1%予測値が6~8時間目、12~18時間目および24時間目にプラセボよりも有意に改善した。アミノフィリンを投与した結果、PEF%予測値は12~18時間目にプラセボよりも大きく改善した。入院日数、症状、噴霧頻度および機械的換気割合に有意差はなかった。酸素化および酸素補給療法期間を集成するデータは不十分であった。アミノフィリンは嘔吐のリスクを3倍に上昇させた。低カリウム血症、頭痛、振せん、痙攣、不整脈および死亡に関して治療群の間で有意差はなかった。