運動療法計画は、運動トレーニングの頻度、強度、期間ならびに運動の種類およびトレーニング開始時の健康状態に基づいている。定期的な運動トレーニングやリハビリテーションで目標を達成するためには、これらの因子をすべて考慮しなければならない。
1863例を無作為に割り付けた45件の試験を本レビューに組み入れた。32件の試験のデータをメタアナリシスに使用した。本レビューの結果、定期的な運動トレーニングは、慢性腎臓病(chronic kidney disease :CKD)成人患者の健康状態、身体機能(歩行能力など)および健康関連生活の質(quality of life :QOL)を有意に改善した。血圧などのアウトカムに対しても有用な効果が認められたが、研究試験の数が少なく、試験が小規模であったため、エビデンスレベルはやや低かった。透析不要のCKD成人患者、透析(血液透析および腹膜透析)が必要なCKD患者、および腎臓移植を受けた患者のいずれにおいても有用な効果が認められた。
このシステマティックレビューおよびメタアナリシスでは、どのような運動計画(運動の種類、強度、頻度および期間)を採用すると最適な効果量が得られるかについて、エビデンスに基づくデータを医師や患者に示す。医師はこの結果を踏まえて、定期的な運動トレーニングの効果が科学的エビデンスに基づいていることをCKD成人患者に伝えてこれを奨励し、定期的な運動トレーニングによって医師や患者の目標を達成するため、適切な運動介入を行うべきである。
《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[018.12.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD003236.pub2】