新生児蘇生におけるラリンゲルマスクとバッグマスク換気または気管挿管の比較

レビューの論点

心肺蘇生のために陽圧換気を必要とする新生児に対し、蘇生の成功に効果的な陽圧換気はバックマスク換気(BMV)と比較してラリンゲルマスク(LMA)でより速く達成されるのか?

BMVが不十分であったり、効果がない場合、蘇生に必要な効果的な陽圧換気は、気管挿管と比較してLMAでより速く達成されるのか?

背景

ほとんどの新生児は出生時に自力で呼吸しているが、少数の新生児は分娩室で呼吸を助ける(人工換気補助)必要がある。出生後すぐに有効な呼吸をしていない乳児は、重度のうつ病になることがある。分娩室での迅速な有効人工換気の実施は非常に重要である。人工換気は多くの場合、新生児の鼻と口をぴったりとフェイスマスクで覆い、換気バッグを手で押すことで行われる(訳注:BMV)。BMV後も呼吸が落ち込んだままの場合、直接気道にチューブを留置する(気管挿管)こともある。児に気道閉塞や頭部および肺への正常な空気の流れを妨げる異常がある場合、または挿管を試みる医療従事者に気道内がよく見えない場合、BMVや気管挿管は不可能である。LMAはBMVおよび気管挿管に代わるものである。LMAは、気道に陽圧換気を提供するために喉に入れるシリコーンチューブに取り付けられた小さなマスクである。

研究の特性

今回のレビューでは合計794人の新生児を集めた7つの試験を含めた。さらに、2017年2月の改めての検索で、6つの新しい研究(754人の新生児)を含めた。5つの研究は、BMVとLMAを比較し、3つの研究は、心肺蘇生を必要とする新生児のための効果的な陽圧換気を提供するために気管挿管とLMAを比較していた。

主な結果

LMAは現在のガイドラインと一致する時間枠の新生児蘇生の間に有効な換気を達成でき、基本戦略のBMVより、さらに有効であるかもしれない。

エビデンスの質

エビデンスの質は、非常に低度から中等度であった。

訳注: 

《実施組織》小林絵里子、冨成麻帆 翻訳[2020.03.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD003314.pub.3》

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