2型糖尿病の人の治療推奨事項に対する遵守を改善するための介入法

著者の結論: 

2型糖尿病症例の治療推奨事項に対する遵守を改善または促進するために現在行われているさまざまな努力は、有意な効果を示さないが、一方で有害でもない。このため2型糖尿病に対する治療推奨事項の遵守を効果的に高める介入法があるのかどうかは、現在までのところ答えられない。

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背景: 

治療推奨事項の遵守率が低いことが調査結果から示唆されている。2型糖尿病は、徐々に進行して血管、腎臓、神経および眼に重篤な合併症を引き起こす慢性の病態であり、治療推奨事項の遵守率を高めれば合併症を軽減できると考えられる。2型糖尿病の治療法は複雑で、ライフスタイルを適応させ、医薬品を服用する必要がある。

目的: 

2型糖尿病症例の治療推奨事項に対する遵守を改善するための介入法の効果を評価する。

検索戦略: 

複数の参考文献電子データベースを検索して研究をみつけだし、参照文献のハンドサーチを行って検索結果を補った。最終検索日:2002年11月

選択基準: 

目的の項に明記したように、治療推奨事項遵守率の変化を評価しているランダム化比較試験および比較試験、前後比較研究ならびに疫学研究を組み入れた。

データ収集と分析: 

2チームのレビューアが独立して、組み入れのために同定した試験を評価した。各2名のレビューアから構成する3つのチームが試験の品質を評価し、データを抽出した。叙述部分の分析は1名のレビューア(EV)が行い、メタアナリシスは2名のレビューア(EV、JW)が行った。

主な結果: 

プライマリ・ケア、外来診療、コミュニティおよび入院診療において、2型糖尿病症例を対象に食事療法や運動に関する推奨事項ではなく、治療に関する推奨事項の遵守を改善することを目的とした介入法を評価していた研究21件を組み入れた。これらの研究で評価していたアウトカムは均質ではなく、遵守率の測定法がさまざまであった。看護師主導型介入、家庭用具、糖尿病教育、薬局主導型介入、服薬の用量および頻度の順応が、HbA1cなどのさまざまなアウトカムにわずかな効果を示していた。死亡率および罹病率に関するデータや、QOLに関するデータはみつからなかった。

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