地域の薬局スタッフによる禁煙支援は有効か?

背景

喫煙は、全世界において予防可能な疾病や死亡の主な原因である。地域の薬局薬剤師は、地域社会にとって簡単にアクセスでき、手近に保健医療サービスを提供する保健医療従事者とみなされており、禁煙支援を行うのに適切に配置されている。実際、多くの国の政府は、地域の薬局を様々な保健医療サービスを提供する有用な窓口と認識している。しかし、これらのサービスをより広く展開する以前に、これらのサービスが有効であるというエビデンスが必要である。

研究の特性

2019年1月に関連する研究を検索し、合計1774人が参加する7つの研究を同定した。英国では3つの研究、オーストラリア、米国、カタール、イタリアではそれぞれ1つの研究が行われていた。各研究は、特定のトレーニングを受けた薬局スタッフによって提供される対面による行動的支援を提供していた。研究では、禁煙を目的とした構造化プログラム介入を非積極的な支援と比較して効果があるか検討していた。

主な結果

地域の薬局スタッフによって提供される積極的な構造化プログラムは、非積極的な支援に比べて、おそらく効果があるであろうという結果が導かれた。

エビデンスの質

地域の薬局での禁煙支援に効果があるかどうかについて、エビデンスの質は低かった。得られたエビデンスの限界として、いくつかの研究の手法に問題があることと、採用された研究の中で禁煙に成功した人の数が少ないことがあげられる。このことにより薬局での禁煙支援プログラムが実際にどれほど効果的であるか確信が得られないことを意味している。

訳注: 

《実施組織》 星佳芳 翻訳、清原康介 監訳[2020.02.12]
《注意》 この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 
《CD003698.pub3》

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