精神病性うつ病とは、精神病的な特徴(妄想や幻覚など)を伴う重度のうつ病のことである。精神病性うつ病に対する最も効果的な薬物治療は、抗うつ薬単独、抗精神病薬単独、あるいは抗うつ薬と抗精神病薬の併用のいずれかであり、不確実性が高い。
このレビューの目的は、精神病性うつ病の治療に用いられてきたさまざまな形態の薬物治療の有効性を比較することである。そのために、すべてのランダム化比較試験(RCT)を分析した。12件のRCTが組み入れ基準を満たした。これらの試験には、合計929人が参加した。
これらの試験から、精神病性うつ病に対して、抗うつ薬と抗精神病薬の併用が、どちらか一方の治療のみの場合よりも有効であるというエビデンスが得られた。しかし、これらの情報は少数のRCTから得られたものであり、少数の人を対象としたものであるため、この結論に対する確信は限られている。さらに、RCTによって対象者のタイプが異なり、これらの試験はデザインも異なるため、自信を持って結果を一般化することはできない。
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訳注:
《実施組織》 阪野正大、冨成麻帆 翻訳 [2021.12.14]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD004044.pub5》