背景
グリセミックインデックス(glycaemic index :GI)とは、(糖やスターチなどの)炭水化物がどのくらい血糖値に影響をおよぼすかの指標である。
試験の特性
本レビューの更新では、循環器疾患イベント、(心臓発作や脳卒中などの循環器疾患の主なリスク因子となる)血中コレステロール値および血圧に対する影響について、低GI食を同様の構成の高GI食と比較したランダム化試験21件を評価した。2016年7月までの試験をレビューに組み入れた。
結果
参加者は平均年齢が19歳から69歳までの成人であった。ほとんどの試験において、参加者は過体重や肥満、血中脂肪値の異常などの循環器リスク因子を有し、1件の試験では、心疾患を有する参加者が組み入れられていた。食事の追跡を12週間以上実施したが、バイアスはほとんどの試験で不明確であり、比較した食品の中にはGIの差がごくわずかなものもあった。循環器疾患イベントは報告されず、食品による血中コレステロールおよび血圧への影響差に関するエビデンスは認められなかった。ほとんどの試験で害は報告されなかった。2件の試験で食品による有害作用はなかったが、エビデンスはとしては不十分であった。
結論
血中脂質値や血圧の改善のために低GI食を推奨するには、各ランダム化比較試験のエビデンスは十分ではなかった。
《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.12.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD004467.pub3】