アルファ遮断薬には、軽微な血圧下降の効果がある

アルファ遮断薬というクラスの薬剤は上昇した血圧を下げるのに時々使われる。このクラスにはドキサゾシン(商品名カルデュラ)、プラゾシン(ミニプレス)、テラゾシン(ハイトリン)などがある。このクラスの薬剤がどのくらい血圧を下げるか、クラス内で個々の薬剤に差があるか検討した。入手可能な学術文献を検索し、この疑問に取り組んでいるすべての試験を見出した。1,175名の参加者における4つの異なるアルファ遮断薬の血圧下降作用を検討している10件の試験を認めた。血圧下降作用は軽微で、収縮期血圧の低下は8ポイント、拡張期血圧の低下は5ポイントであった。血圧下降作用の点で、アルファ遮断薬が他のものより有効または無効ということはなかった。薬剤の有害な作用により試験から脱落した参加者数の報告が不完全であり、これらの試験の期間が短かったため、本レビューではこのクラスの薬剤に関連した害を推定できなかった。

著者の結論: 

発表されているRCTの限定的な数に基づくと、アルファ遮断薬の血圧下降の有効性は軽微で、トラフ血圧下降幅の推定値-8/-5 mmHgは過大評価の可能性がある。異なるアルファ遮断薬に臨床的に意味のある血圧下降の差はなかった。本レビューでは、試験期間が短く、試験の多くが有害な作用の報告をしていないため、アルファ遮断薬に関連した有害作用の発現率を十分推定することはできなかった。

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背景: 

アルファ遮断薬は高血圧に時折処方されるため、血圧(BP)、心拍数、有害作用による投与中止(WDAE)への効果を検討し比較することは重要である。

目的: 

原発性高血圧の治療における、プラセボに比べたアルファ遮断薬の用量依存性の収縮期および/または拡張期BP下降有効性を定量すること。

検索戦略: 

この更新レビューでは、CENTRAL(コクラン・ライブラリ2012年第4号)、 MEDLINE(1946~2012年5月)、EMBASE(1980~2012年5月)、論文の参考文献リストを検索した。

選択基準: 

原発性高血圧患者を対象に、3~12週間プラセボに比較したアルファ遮断薬による固定用量単剤療法のBP下降有効性を評価している二重盲検ランダム化比較試験(RCT)。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々にバイアスリスクを評価しデータを抽出した。その後追加された情報について研究著者に連絡を取った。WDAE情報を試験から収集した。

主な結果: 

ベースラインの血圧が155/101 mmHgの1,175名の参加者における4つの異なるアルファ遮断薬の用量依存性のトラフ血圧下降の有効性を評価していた試験は10件のみであった。データでは、血圧下降においてあるアルファ遮断薬が他に比べて有効か無効か示唆されなかった。アルファ遮断薬のトラフ血圧下降の有効性は、不十分であるが最高の推定値で-8/-5 mmHgであった。

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