メグリチニドは、メトホルミンと同程度の効力を有する代替経口血糖降下薬となり得る。またメトホルミンの副作用が忍容できない場合またはメトホルミンが禁忌である場合に適応となるとようである。しかし、メグリチニドによる重要な長期的アウトカム、特に死亡率に及ぼす影響を示すエビデンスはない。
2型糖尿病において、インスリン分泌障害が疾患の重要な要素である。メグリチニドアナログは、特にインスリン放出初期のインスリン分泌を増加させる経口血糖降下薬のクラスである。
2型糖尿病患者におけるメグリチニドアナログの効果を評価する。
コクラン・ライブラリ、MEDLINEおよびEMBASEを含む幾つかのデータベースを検索した。また、製造業者に問い合わせ、進行中の試験のデータベース、American Diabetes Association(ADA)およびEuropean Association for the Study of Diabetes(EASD)のウェブサイトを検索した。
メグリチニドアナログによる10週間以上にわたる治療とプラセボ一対一、メトホルミンまたはインスリンとの併用を比較したランダム化比較並行群間またはクロスオーバー試験を選択した。
2名のレビューアが別々にデータを抽出して試験の質を評価した。
参加者3781例を含む15件の試験があった。死亡率または罹病率に対するメグリチニドの効果を報告した研究はなかった。メグリチニドとプラセボとを比較した11件の研究では、レパグリニドおよびナテグリニドともに糖化ヘモグロビンが低下した(レパグリニドではHbA1cが0.1%から2.1%低下;ナテグリニドでは0.2%から0.6%低下)。2件の試験のみでレパグリニドとナテグリニドが比較されており(参加者342例)、レパグリニド投与群の方が糖化ヘモグロビンの低下が大きかった。レパグリニド(試験3件、参加者248例)の糖化ヘモグロビン低下作用は、メトホルミンと同程度であった。ナテグリニドは、糖化ヘモグロビンに対してメトホルミンと同程度または若干少ないが顕著な効果を示した(試験1件のみ、参加者355例)。メグリチニド投与群の体重増加は全般的にメトホルミン投与群に比して大きかった(3ヵ月間で最大3kg)。下痢の発現頻度は少なく、低血糖の発現は多かったが、介護を必要とするほど重度であることは稀であった。