産婦人科癌の治療を受けた女性の心理的性機能障害に対する何らかの介入の使用を支持する説得力のあるエビデンスはない。方法論の質の高い研究がさらに必要である。
心理的性機能障害(身体的要因に直接起因しない性的問題)は、産婦人科癌の治療でみられる合併症として知られている。産婦人科癌からの生存女性の数が増すにつれ生活の質(QoL)にかなりの影響がある。
産婦人科悪性腫瘍(子宮頸、子宮体、卵巣、外陰の癌)の治療を受けた女性を対象に心理的性機能障害に対する介入の有効性を明らかにする。
Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL、2008年10月まで)、MEDLINE(1950年~2008年10月)、EMBASE(1982年~2008年10月)、CINAHL(1980年~2008年10月)およびPsycINFO(1806年~2008年10月)を検索した。適格な試験からの参考文献リストをハンドサーチした。
産婦人科癌に対する既治療の成人女性を対象に心理的性機能障害を予防または治療するために医学的介入または心理学的介入に関するすべてのランダム化比較試験(RCT)を選択した。
本レビューに含めるために5件の研究を選択し、性交の再開、DSM-IV(精神障害の診断と統計マニュアル第4版)での診断または性機能に関して妥当性が確認されている評価尺度に関連したすべてのアウトカムデータを解析した。可能な場合は感度分析を行った。
本レビューには、計413例の患者を対象とし、5つの異なる介入について検討していた5件の研究からのデータを含めた。1件の試験は、骨盤の放射線療法後の女性を対象に腟用ジエネストロール使用の短期利益を示唆していた(治療必要数=4)。別の1件の試験では、別のレジメンを上回る低線量率の密封小線源治療レジメンで短期利益が示唆されていたが、この治療様式は広くは使用されていない。専門看護師の介入、心理教育的集団療法およびカップルに対するコーピング介入に関する研究で、有意な利益は何ら認められなかった。すべての研究は方法論の質が不良であった。
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