以上の結果は、続発性骨粗鬆症小児を対象としたビスホスホネートのさらなる評価を正当化している。しかし、エビデンスは標準療法としてのビスホスホネートを支持するものではない。ビスホスホネートの短期使用(3年以内)の忍容性は良好であると考えられる。小児の骨粗鬆症に対して広く受け入れられている基準、骨密度報告への標準化された方法、および機能的な骨の健康アウトカムの検査(例、骨折率)は、研究全体の適切な比較を可能にさせるであろう。
慢性疾患の小児は、基礎疾患による骨格発育への影響あるいは慢性疾患の治療に使用される薬剤(例、グルココルチコイド)の骨毒性作用によって骨強度の低下、それに続く骨折(骨粗鬆症)の危険性が高い。ビスホスホネートは続発性骨粗鬆症の小児に頻繁に投与されつつある。しかし、これらの薬剤の有効性と有害性は依然として不明である。
小児および青年の続発性骨粗鬆症の治療および予防に対するビスホスホネート療法の有効性と有害性を評価する。
Cochrane Central Register of Controlled Trials(2006年第4号)、MEDLINE、EMBASE、CINAHLおよびISI Web of Science(開始‐2006年12月)を検索した。専門家への問い合わせ、主要な著者の検索、含まれる研究の参照文献リストの精査、およびビスホスホネート製造業者への問い合わせを通じて、さらなる文献を同定した。
続発性骨粗鬆症との関連で、最低1つの低外傷性骨折イベントまたは骨密度低下のある年齢0~18歳の小児を対象としたビスホスホネートに関するランダム化、準ランダム化、比較臨床試験、コホート研究および症例対照研究(CCT)。
2名のレビューアが独自にデータを抽出し、質を評価した。有害性に関する補遺的データについては、症例集積を用いた。
6件のRCT、2件のCCTおよび1件の前向きコーホート研究(小児281例)が含まれ、以下の原因別に骨粗鬆症を分類した:1)神経筋の状態(RCT1件)、2)慢性疾患(RCT5件、CCT2件、コホート1件)。検討したビスホスホネート系は、経口アレンドロン酸、クロドロン酸、および静注パミドロン酸であった。研究の質は様々であった。23件の症例集積(小児241例)からの有害性データを用いた。異質性のため、結果を統計学的に統合できなかった。腰椎領域の骨密度のベースラインからの変化率(%)またはZスコアの変化が一貫して報告されていた。2件の研究で群間解析が行われていた。うち1件(神経性食思不振症に対して経口アレンドロン酸を使用)では有意差は示されていなかったが、他の1件で熱傷患者の腰椎に対して静注パミドロン酸の治療効果が実証されていた。頻繁に報告されていた有害性は急性期反応、続いて消化管の愁訴、骨痛/筋肉痛であった。