潰瘍性大腸炎は大腸の炎症で、下痢や腹痛、直腸出血、発熱を引き起こす。この疾患の解決策がないため、治療の目的は不快で痛みのある兆候・症状を軽減することである。活動性潰瘍性大腸炎のための現時点で立証された治療選択肢には、副腎皮質ステロイドやアミノサリチル酸、免疫抑制剤、生物剤などがある。しかし、これらの薬剤には副作用を引き起こす可能性がある。副作用がより少ない、新しい治療法が求められている。オメガ-3脂肪酸に富む魚油は、潰瘍性大腸炎の患者の炎症を軽減し、抗炎症薬の必要性を減らすようである。本レビューには、活動性潰瘍性大腸炎に対する魚油の効果を評価した6件の研究を組み入れた。研究の質は、ほとんどが不良だった。1件の小規模の研究では、活動性潰瘍性大腸炎の治療に肯定的な成績を示している。しかし、この結果は研究規模が小さく、研究の質が不良であるため慎重に評価する必要がある。データが限られているため、魚油治療法が潰瘍性大腸炎の寛解導入に有効か否か評価するための十分な情報はない。
《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.11.24] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD005986.pub2】