乳癌の診断を女性に伝える方法に関するランダム化試験はなかったことから、レビューの疑問の回答は得られないままである。レビューアは本領域における調査研究がないことについて予測される理由を検討した。診断を待っているような精神的に不安定な時期にある女性をランダム化することはおそらく非倫理的であると考える。この問題を調べるための倫理的にデリケートな研究のデザインは、その後の診療についての情報を伝えるために模索する必要がある。レビューした幾つかの論文は、治療の選択肢について議論する場である、最初の相談のための受診に関連したものであったことから、おそらく最初の相談のための受診時における伝達方法に焦点を当てたレビューを行えば、伝達方法の有効性についてより信頼性の高いエビデンスが提供され、先に述べた倫理上のジレンマが克服されるであろう。
女性に乳癌の診断を伝える方法は、解釈の程度、患者の想起および満足感に影響を及ぼすようである。
乳癌の一次診断を女性に伝えるために用いた場合の様々な伝達方法の有効性を評価する。
2006年9月7日にCochrane Breast Cancer Group Specialised Register、2006年10月27日にCochrane Consumers and Communication Group、MEDLINE(1966年~現時点)、CINAHL(1982年~現時点)、EMBASE OVID(1980年~現時点)、British Nursing Index(1984年1月~現時点)、PsycInfo(1967年~現時点)、Dissertation Abstracts International(2004年~2006年)、Library and Info Science Abstracts(LISA)(1969年~現時点)、ISI Web of Knowledge(学会大会の抄録)および論文の参照文献リストを検索した。
組織学的に乳癌と確定診断され、原発性乳癌と診断された女性に関するランダム化比較試験を検索した。また、試験では以下の方法のうちひとつ以上が使用されていることとした。対面診察、書面による情報伝達、電話相談、相談に関するオーディオテープまたはビデオテープ。
2名のレビューアが独自に試験を本レビューに含めるかどうかを評価した。標準化されたデータ抽出および質の評価書式を用いて研究を評価した。
検索戦略により、全部で2847件の引用が同定された。計30件の引用が関連すると思われたが、内3件は重複していたため、残りの27件の論文をさらにレビューした。同一の一次データに基づいて報告された論文が6件(Brown 1997年、Brown 1998年、Brown 1999年、Brown 2000年、Hack 2000年、Hack 2003年の発表)あったため、残りの23件の原著をレビューに含めた。この内、選択基準を満たすものはなかった。従って、データの抽出および方法論の評価はできなかった。
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