アレルギー性疾患または食物へのアレルギー反応を予防するために、乳児食にプロバイオティクスを加えることを推奨するエビデンスは不十分である。食物へのアレルギー反応やアレルギー疾患(喘息、湿疹、花粉症など)の有病率は高く、先進国で増加している可能性がある。多くの乳児が消化管を介して乳児用調製乳などの食物による感作を受けるが、この過程は腸内細菌の組成により影響を受ける可能性がある。正常な消化管内細菌の成長を促し、食物への感作を防ぐ試みの1つとして、プロバイオティクスの使用が挙げられる。プロバイオティクスとは、消化管に定着して宿主に健康効果をもたらす生きた細菌である。今回のレビューによると、乳児食にプロバイオティクスを加えると、乳児の湿疹を防ぐ可能性がある。1つの試験はその利益が4歳まで持続するとしている。しかし、試験の質に関する懸念、試験間の結果の不一致、アレルゲンへの感作のエビデンスがある乳児に限定した場合はベネフィットが持続しなかったという事実から、これらの結果を確認するためにさらに研究が必要であると考えられる。
《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.12.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD006475.pub2】