治療後運動プログラムは腰痛再発を予防する可能性があることを示す中等度の質のエビデンスがあるが、治療的運動については相反するエビデンスが明らかになった。再発測定の妥当性および治療後の運動の有効性に関する研究が必要である。
腰痛は再発傾向のある一般的な疾患である。運動が治療の一部または治療後プログラムとして、腰痛再発を軽減するかどうかは不明である。
腰痛または腰痛に伴う能力障害の新たなエピソードを予防するために運動の有効性を検討する。
CENTRAL(コクラン・ライブラリ2009年第3号)、MEDLINE、EMBASEおよびCINAHLを2009年7月まで検索した。
選択基準は以下であった:以前に腰痛を経験した参加者、特別な追加治療を併用しない運動からなる介入、ならびに腰痛の再発または再発までの期間を測定したアウトカム。
2名のレビューアが独自に、参考文献が選択基準に適合しているかどうかを判定した。同じレビューアが独自にデータを抽出し、研究のバイアス・リスクを判定した。研究を、治療後介入プログラムと治療研究に分けた。参加者、介入、コントロール、およびアウトカムが十分均質であると判定された場合に、研究結果をメタアナリシスで統合した。
9種の介入を用いた9件の研究について報告している13件の論文を含めた。参加者407例を対象とした4件の研究は治療後プログラムを評価しており、参加者1,113例を対象とした5件の研究は一治療法として運動を評価していた。4件の研究はバイアス・リスクが低く、1件の研究はバイアス・リスクが高く、残りの研究はバイアス・リスクが不明であった。治療後の運動は1年後の再発率を低下させる上で無介入よりも有効であることを示す中等度の質のエビデンスが見いだされた(率比0.50、95%信頼区間0.34~0.73)。2件の研究で、1年半~2年間の追跡期間中に再発回数が有意に低下したことを示す(平均差-0.35、95%CI-0.60~-0.10)中等度の質のエビデンスがあった。治療後の運動によって1年半~2年間の追跡期間中に病気休業日数が減少したとする非常に質の低いエビデンスがあった(平均差-4.37、95%CI-7.74~-0.99)。さらに、再発回数や再発率の減少の点で運動治療の有効性について相反するエビデンスが見いだされた。