世界の約3億800万人が「耐糖能障害」であると報告されている。それらの人々は通常の血糖(グルコース)値よりも高値を呈すが、糖尿病1型または2型の診断基準を満たさない。中薬(中医学の薬草療法)の治療により、糖尿病の発病、または心血管疾患の合併症を予防または遅延する方法が提供される可能性がある。「耐糖能障害」と最初に診断されてから10年以内に、25~75%の人が糖尿病に移行すると推定される。
本レビューは15種類の中薬を用いた16件のランダム化比較試験を調査した。試験は4週間から2年(平均9カ月)継続し、計1391例の参加者を対象とした。全死因死亡、糖尿病合併症および経済的アウトカムは検討されていなかった。重篤な有害事象は報告されなかった。
存在するエビデンスは、中薬が高血糖を下げ正常化することができると示唆している。試験において、かなりのゆがみ(バイアス)があるため、耐糖能障害および糖尿病発症の遅延に対する中薬の効果に関して確信を持って結論に導くには、質が高く正確に評価された研究が必要である。
《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.12.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD006690.pub2】