HIV/AIDSの小児患者の転帰を改善するための鉄補充

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Irlam JH, Siegfried N, Visser ME, Rollins NC.Micronutrient supplementation for children with HIV infection.Cochrane Database of Systematic Reviews 2013, Issue 10.Art.No.:CD010666.DOI:10.1002/14651858.CD010666. コクラン・ライブラリーへのリンク. [PubMed]


貧血は、HIV/AIDSの小児においてCD4/ヘルパーTリンパ球減少に次いで2番目に多い血液学的な問題である。HIV感染小児における貧血は、造血細胞に対するHIVや他の一般的な感染症、日和見感染症が及ぼす直接的な作用、微量栄養素の欠乏、日和見感染症およびHIVを予防または治療するための薬物の副作用などによって起こる。微量栄養素である鉄の欠乏は、世界中で圧倒的に高い頻度でみられる栄養性貧血の原因である。全世界での鉄欠乏性貧血の有病率は、特に小児のHIV感染が蔓延する地域で高く、 多くのHIV感染小児は鉄欠乏状態の可能性がある。しかし、HIV/AIDSを有する小児に認められる貧血への鉄欠乏の関与についてはほとんど知られていない。鉄補充は現在、HIV感染率も高い発展途上国の多くで貧血の小児にルーチンで投与されているが、明らかな有害作用は認められていない。しかし、マラリアを含む進行中の感染症で、鉄補充に有害な作用があるとの報告が複数ある。鉄による有害作用に関して懸念がある疾患が蔓延している地域において、HIV感染小児における鉄欠乏症と鉄欠乏性貧血が高頻度にみられるため、タイプや剤形を問わず、鉄補充が利益あるいは不利益をもたらすのかを検証しているランダム化臨床試験を探した。そのような試験は見つけられず、これらの問題を調べるために大規模な多施設試験が必要であると結論付けた。

訳注: 

《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.12.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD006736.pub2】

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