HIV/AIDSの人は、この疾患の合併症のため、生活の質が低くなる可能性がある。マッサージ療法は、彼らの全体的な健康を向上し、ストレス解消能力を改善する助けとなるかもしれない。マッサージ療法と他形態の療法、または無治療とを比較した研究をシステマティックに調査した。HIVまたはAIDS後期ステージの小児、青年、成人に対し、マッサージ療法を行った4件のランダム化比較試験を同定した。今回の文献のレビューは、特に瞑想、リラクゼーション・トレーニングなどの他の療法と併用した場合、マッサージ療法がHIV/AIDSの人の生活の質を改善し、どの単独手技よりも、より利益をもたらしたことを支持する。さらに、マッサージ療法により、患者の体の疾患と戦う力が向上しえたようだが、これは説得力を持って証明されていない。この問題を調査するために、さらに研究を行うことを推奨する。その一方で、明確な目標を定め、療法における効果を追跡するならば、HIV/AIDSの人は生活の質を向上させるために、マッサージ療法を用いることを推奨する。
《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2019.09.30]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD007502.pub2》