潰瘍性大腸炎における寛解導入のためのブデソニド経口投与

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著者の結論: 

現在、活動期潰瘍性大腸炎の寛解導入にブデソニド経口投与の臨床的使用を推奨するエビデンスはない。メサラミンはブデソニドよりも活動期潰瘍性大腸炎の治療に優れている。

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背景: 

コルチコステロイドはなお潰瘍性大腸炎やクローン病における寛解導入に対して最も一般的な選択のひとつである。コルチコステロイドは症状を改善する可能性がある一方、必ずしも粘膜治癒をもたらさず、有意な有害作用を有する。局所的に作用し、全身性副作用が少ないステロイドがより好ましいと思われる。ブデソニド経口投与は、広くファーストパス肝代謝を受ける局所的に作用するコルチコステロイドであり、クローン病に有効であり、左側潰瘍性大腸炎に注腸製剤で有効である。潰瘍性大腸炎におけるブデソニド経口投与の役割に関してデータは限定的である。

目的: 

潰瘍性大腸炎における寛解導入に対するブデソニド経口投与の安全性と有効性をシステマティックにレビューする。

検索戦略: 

MEDLINEおよびEBASEデータベースの電子検索を行った。2人のレビューアが独自に同定された全ての標題と抄録をレビューした。関連する可能性がある全ての研究の全文を抽出した。更なる研究を同定する試みで、レビュー論文の参考文献リストを検索した。過去3年間に開催された主要な胃腸病学学術集会の抄録をハンドサーチした。進行中の試験を同定するため、ClinicalTrials.gov ウェブサイトおよびCochrane Registry of Controlled Trialsを検索した。進行中や未発表の研究を同定するため、製薬業者との直接情報交換した。

選択基準: 

並行群デザインまたはクロスオーバーデザインのいずれかの潰瘍性大腸炎寛解導入のためのブデソニド経口投与のランダム化比較試験(RCT)が適格と考えられ、選択された。患者年齢、あるいはブデソニド治療のタイプ、用量、期間に基づいた除外はなかった。主要アウトカムは潰瘍性大腸炎における臨床的寛解の導入であった。副次的アウトカムは、臨床的、組織学的および内視鏡的改善、内視鏡的粘膜治癒、疾患活性指数スコアの変化、有害事象、および研究の中止であった。

データ収集と分析: 

2人の独立したレビューアが、研究が適格であるかどうかレビューし、データを抽出し、質を評価した。研究毎にブデソニドと異なるコントロール薬を比較しており、有意な異質性があったため、選択した研究のメタアナリシスを行うことは不可能であった。

主な結果: 

3件の研究が選択基準を満たした。ブデソニド経口投与でメサラミン経口投与よりも8週間の治療後に臨床的寛解を導入する可能性が有意に低かった(RR 0.72、95%CI 0.57~0.91)。4週間の治療後に臨床的寛解を導入するのにプラセボと比較した場合、ブデソニド経口投与に有意な有用性はなかった(RR 1.41、95%CI 0.59~3.39)。1件の小規模なパイロット研究の報告では、ブデソニドとプレドニゾロンの間で内視鏡的寛解の統計学的有意差がなかった(RR 0.75、95%CI 0.23~2.42)。この研究は小規模であり、臨床的寛解に対するブデソニドの影響を評価するには統計学的検出力が不足していた。血漿コルチゾールの抑制はプレドニゾロン治療群で有意に高かった(RR 0.02、95%CI 0.0~0.33)。2件の多施設共同研究が進行中である。