癌における咳嗽に対する介入

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著者の結論: 

本レビューから推奨診療を引き出すことはできなかった。癌での咳嗽治療における介入の効果を評価する研究の数を増やし、質を高めることが緊急に求められる。

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背景: 

咳嗽は悪性腫瘍患者、特に肺癌患者においてよくみられる症状である。咳嗽は実地臨床において適切にコントロールされず、臨床医には咳嗽を治療するための診療選択肢がほとんどない。

目的: 

本レビューの主目的は悪性腫瘍(特に肺癌)の咳嗽治療における薬物療法および非薬物療法(化学療法および外照射療法(EBRT)以外)の有効性を明らかにすることである。

検索戦略: 

検索したデータベースは以下のとおりである:Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)とDatabase of Abstracts of Reviews of Effectiveness(DARE)(コクラン・ライブラリ2009年第4号);MEDLINE(1966年から2010年5月まで);EMBASE(1980年から2010年5月まで);CINAHL(1980年から2010年5月まで);PSYCHINFO(1980年から2010年5月まで);AMED(1985年から2010年5月まで);SIGLE(1980年から2010年5月まで);British Nursing Index(1985年から2010年5月まで);CancerLit(1975年から2010年5月まで)。鎮咳薬や鎮咳作用がある他の薬剤、および、非薬物療法に対して検索した(検索用語については補遺1~4を参照)。

選択基準: 

原発性肺癌、転移性肺癌、またはその他の癌患者を対象としたランダム化比較試験(RCT)および臨床試験(準実験的試験、比較群はあるがランダム化の方法を言及していない試験)を選択した。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自にすべての研究の標題と抄録を評価し、合意に達する前に選択したすべての研究からデータを抽出した。3人目のレビューアが不一致を調停した。研究間に異質性があったためメタアナリシスを試みなかった。

主な結果: 

17件の研究が選択基準を満たし、近接照射療法、レーザー療法、光線力学療法(8件の研究)、または様々な薬物療法(9件の研究)を検討した。全体では、確かなエビデンスはなく、研究の大部分は方法論的質が低く、バイアスのリスクが高かった。近接照射療法は特定の参加者において様々な線量で咳嗽を改善するようであり、副作用を最小化するには最低有効線量を用いるべきであることが示唆された。光線力学療法は1件の研究で検討され、咳嗽の改善が観察されたが、咳嗽に対する他の治療を凌駕するその役割は不明である。モルヒネ、コデイン、ジヒドロコデイン、レボドロプロピジン、クロモグリク酸ナトリウム、クエン酸ブタミレート舐剤(咳止めシロップ)でいくらかの効果の徴候が観察されたが、すべての研究は有意なバイアスのリスクを有していた。