要点:
ローゼルを摂取することで、高血圧症(高血圧)の人の血圧が下がるかどうかはわからない。
高血圧症の人がローゼルを摂取しても安全かどうか、心拍数や脈圧に影響を与えるかどうかはわからない。
何を知りたかったのか
私たちは、プラセボ(ダミー治療)や無治療と比較して、赤茶(ローゼル)が成人の高血圧患者の血圧を下げる安全で効果的な治療法であるかどうかを知りたいと思った。ローゼルにはアントシアニンと呼ばれる物質が含まれており、動物や人を対象とした研究では、血圧を下げる効果が認められている。
実施したこと
高血圧症の人を対象に、ローゼルをプラセボまたは無治療と比較した研究を検索した。
わかったこと
2型糖尿病と高血圧を有する60人の被験者を対象とした1件の研究を対象とした。参加者は、純粋なローゼルエキスのカプセルまたは乳糖を含むプラセボのいずれかを8週間にわたって摂取した。ローゼルが血圧に影響を与えるかどうかは定かではないし、この研究ではローゼルの安全性や心拍数の変化については報告されていない。
エビデンスの限界
少数の被験者を対象とし、全員が糖尿病を患っていた試験が1件だけ見つかった。様々なタイプの参加者や、ローゼルの摂取方法(形態、量、時間帯、使用期間)を変えた研究がさらに必要である。
このレビューの更新状況
本レビューは、前回のレビューを更新したものである。2021年8月までのコアデータベースでランダム化比較試験(参加者が2つ以上の治療群のいずれかに無作為に割り振られた研究)を検索し、2020年10月までの地方や地域の中国語やタイ語のデータベースを手作業で検索した。
《実施組織》 阪野正大、冨成麻帆 翻訳 [2021.12.14] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD007894.pub3》