前立腺がんは、世界中で男性が罹患する一般的ながんである。5-α還元酵素阻害薬などの薬学的介入が、男性における前立腺がんの発症を予防する可能性があることが明らかになっている。多くの男性が、健康状態を良好に維持し疾患を予防するために、生活様式を変え、補完代替療法を利用している。リコピンは、その抗酸化作用が前立腺がん予防を補助する可能性があると考えられているサプリメントである。このシステマティック・レビューの目的は、前立腺がんの予防に対するリコピンの有効性を明らかにすることであった。今回のレビューは、合計154例の参加者からなる3件の関連する試験を対象とした。そのうち2件はバイアスのリスクが「高い」と評価された。2件の試験のメタアナリシスは、リコピン摂取群と対照群に無作為に割付けられた男性について、前立腺特異抗体(prostate specific antigen:PSA)値に有意差はないことを示した(MD -0.34, 95% CI -2.01~1.32)。前立腺がんの死亡率を評価した試験はなかった。評価した他のアウトカムはデータに寄与した試験が1件だけであったため、メタアナリシスはできなかった。
《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.12.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD008007.pub2】