レビューの論点
早産児に対するビタミンKの予防的投与は、ビタミンK欠乏性出血(vitamin K deficiency bleeding :VKBD)に有効か?
背景
早産児は、授乳開始が遅れるので腸内におけるビタミンK産生細菌のコロニー形成が遅れ、さらに肝機能および血液の凝固機能が未熟でもあるために、VKBDのリスクが高くなる可能性がある。早産児は定期的に静脈内または筋肉内経路から予防的ビタミンKの投与を受ける。
試験の特性
2016年12月5日までに終了した研究のうち、早産児に対する予防的ビタミンK投与を無治療と比較する試験は見つからず、ビタミンK投与の投与量および投与経路を比較した試験が1件あった。
主要な結果
投与量と投与経路を比較した組み入れ基準を満たす試験は1件あった。この試験では、静脈内および筋肉内経路のいずれでも測定可能なビタミンK濃度に達するのに十分であり、最低0.2 mgの投与量で計測可能なビタミンK濃度になり、ビタミンK欠乏によって誘発されるタンパク質が認められないことを示唆している。早産児へのビタミンK投与に最良の投与量と投与経路を決定するために、さらに質の高い試験が必要である。
エビデンスの質
質の低いエビデンス。
《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.12.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD008342.pub2】