スマトリプタン経口投与は、疼痛、悪心、羞明、音響恐怖症、機能障害を軽減する片頭痛発作頓挫治療として有効であるが、有害事象の増加と関連する。
片頭痛は、個人にとって日常生活に支障を来たす病態で、社会、保健医療サービス、経済にも幅広い影響を及ぼす。スマトリプタンは片頭痛発作頓挫薬で、トリプタン族に属する。
成人の急性片頭痛発作の治療において、スマトリプタン経口投与の有効性と忍容性を、プラセボやその他の実薬による介入と比較検討する。
Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、MEDLINE、EMBASE、オンラインデータベース、2011年10月13日までの試験の参考文献リストを検索した。
治療群あたりの参加者が10例以上で、片頭痛エピソード治療でスマトリプタンを経口投与したランダム化、二重盲検、プラセボおよび/または実薬対照試験を対象とした。
2名のレビューアが独立して試験の質を評価し、データを抽出した。プラセボまたは異なる実薬治療に比べた相対リスク(または‘リスク比’)やnumbers needed to treat to benefit(NNT)またはnumbers needed to treat to harm(NNH)の計算には、各アウトカムに到った参加者数を使用した。
スマトリプタン経口投与をプラセボや実対照薬と比較した試験は61件あった(37,250例)。データのほとんどが50 mgと100 mgの用量に関するものであった。スマトリプタンは、全ての有効性アウトカムについてプラセボを上回った。スマトリプタン50 mgをプラセボと比較した場合、NNTは、2時間後の無痛、1時間後および2時間後の頭痛緩和でそれぞれ6.1、7.5、4.0であった。投与後24時間の無痛持続および頭痛緩和持続のNNTはそれぞれ9.5、6.0であった。スマトリプタン100 mgをプラセボと比較した場合、NNTは同アウトカムでそれぞれ4.7、6.8、3.5、6.5、5.2であった。用量25 mgの結果は50 mgの結果と同様であったのに対し、スマトリプタン100 mgは、2時間後の無痛および頭痛緩和や、24時間の無痛持続に関して、50 mgより有意に有効であった。軽度疼痛期の早期治療の方が、疼痛強度が中程度~重度の既発作治療よりも、2時間後の無痛や24時間の無痛維持に関して有意に良好なNNTが得られた。 悪心、羞明、音響恐怖症などの頭痛関連症状の緩和はスマトリプタンの方がプラセボより著しく、頓服薬の使用はスマトリプタンの方がプラセボより少なかった。ほとんどの場合、有害事象は一過性で軽度であり、スマトリプタンの方がプラセボより多く発現し、用量反応関係は明確であった(25~100 mg)。 スマトリプタンは、他のトリプタン系、パラセタモール(アセトアミノフェン)、アセチルサリチル酸、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)、エルゴタミン配合剤などの多くの実薬治療との直接比較が行われた。
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