潜在的な認知症を評価するための、認知・機能に関する構造化された付随的インタビュー(IQCODE)

認知症やその他の認知機能の問題を抱える人の数は、世界的に増加している。認知症の早期診断が推奨されているが、そのための最良のアプローチ方法や、認知症以外の専門家がどのように患者を評価すべきかについては合意が得られていない。1つの方法として、対象者の友人や家族にインタビューを行い、機能や認知の変化を評価するという方法がある。この「付随的」なインタビューには様々な方法があるが、最もよく使われているのは「Informant Questionnaire on Cognitive Decline in the Elderly(IQCODE)」と呼ばれるものである。IQCODEによる認知症検出の精度に関する、発表されたすべての研究について、複数の異なるデータベースを検索した。その結果、地域住民を対象にIQCODEの診断精度を検証した研究が11件見つかり、その結果を統合して要約した結果が得られた。(項目数の異なる)2種類のIQCODEアンケートを比較したところ、質問数の少ない短縮版は、オリジナルの長いアンケートと同等の精度を持つことがわかった。IQCODEの全体的な精度は、完璧ではないものの妥当なものであった。しかし、IQCODEを単独で、大規模な高齢者集団の評価に使用した場合には、認知症をもたない多くの人を認知症と判断したり、またかなりの割合で診断を見落とす可能性がある。

訳注: 

《実施組織》 阪野正大、瀬戸屋希 翻訳[2021.08.01]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD010079.pub3》

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