レビューの論点

成人の良性甲状腺結節の治療における中薬の効果を評価すること。

背景

甲状腺結節は甲状腺内の腫脹であり、高い頻度で認められる臨床上の障害で20％～70％の人に検出される。甲状腺結節は圧迫症状および美容上の不満の原因となる恐れがある。甲状腺結節の治療には、甲状腺ホルモン療法、外科手術、放射性ヨード療法、経皮的エタノール注入療法および、結節の縮小を目的としたレーザーあるいは高周波治療が含まれる。中薬は薬物治療の代替として通常用いられる。

研究の特性

良性甲状腺結節患者152例の参加者を対象とした1件のランダム化比較試験のみが同定された。2種の中薬を組み合わせて、介入群（98例の参加者）を治療した。対照群（参加者54例）に対しては治療を行わなかった。治療期間は3カ月で、フォローアップ期間は6カ月であった。

主な結果

この研究において、結節容積減少度≧50％；圧迫症状または美容上の不満もしくはその両方、健康関連のQOL、全死因死亡率、癌発生率、甲状腺腫の数とサイズの変化、甲状腺の容積の変化、および社会経済的影響については検討されなかった。研究実施前後において、両群ともに甲状腺ホルモン濃度は正常であった。有害事象の報告はなかった。

エビデンスの質

この研究の全体の質は不明あるいは低かった。

データの更新

このエビデンスは2013年4月にデータ更新された。