レビューの論点
ピタバスタチンの用量の違いは、血液中の脂質にどのように影響するのか?
背景
ピタバスタチンは、市場に出回っている最新のスタチン(肝臓のコレステロール合成を阻害する薬)である。(ピタバスタチンの)用量の違いが血液中の脂質にどのように影響するかは知られていない。
検索期間
2019年3月までの研究を検索した。
研究の特性
ピタバスタチンを様々な用量で服用した、研究の質が高いランダム化比較試験(RCT)と前後比較試験を検索した。試験期間は3週間から12週間の間だった。
試験の参加者は、心血管疾患の有無や、年齢や性別に関係なく試験に含まれた。
主な結果
ピタバスタチンを1日あたり1 mgから16 mg服用している人は、LDLコレステロールが33.3%から54.7%低下した。用量が高いほど、3種類のコレステロール測定値が低かった。全用量のHDLコレステロールの平均増加率は4%だった。
ピタバスタチンのLDLコレステロールを下げる効果は、アトルバスタチンの6倍、ロスバスタチンの1.7倍、およびフルバスタチンの77倍強く、セリバスタチンの3.3倍弱かった。
ランダム化比較試験では、プラセボ群の109人のうち0人、ピタバスタチン群の262人のうち3人、有害事象のため脱落した。
エビデンスの確実性
ピタバスタチンが総コレステロール、LDLコレステロール、および中性脂肪(トリグリセリド)に及ぼす影響については、高い信頼がある。
《実施組織》木下恵里 翻訳、榛葉有希 監訳[2020.07.05]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD012735.pub2》