背景
最もよくみられる遺伝性疾患のひとつに家族性高コレステロール血症がある。この疾患があると、生まれつき血液中のコレステロール値が高くなる。その結果、動脈の壁に余分なコレステロールが付着して狭くなり、若くして心臓病を引き起こす原因となる。しかしながら、コレステロール値を下げる薬で治療すれば、このリスクを充分に減らすことができる。
血中コレステロール値が高いのと同様に、心臓病の家族歴や皮下に脂肪の塊(黄色腫)がある場合は、家族性高コレステロール血症である可能性が高くなる。
一般開業医や地域の薬剤師など、地域に密着した医療従事者が、家族性高コレステロール血症の可能性や疑いがある人を見つけ、専門医に紹介することが重要である。専門医は、検査や遺伝子検査によって家族性高コレステロール血症の診断を確定させる。
このレビューでは、臨床的に家族性高コレステロール血症の可能性がある人、あるいは確実にそうである人を系統的に見つけるための、プライマリ・ケアやその他の地域環境におけるヘルスケア戦略の効果について調査した。
検索日
2021年9月13日
研究の特徴
このレビューに組み入れることが可能な研究は見つからなかった。
主な成果
このレビューの含有条件に合致した研究は見つからなかった。
エビデンスの質
このレビューに含まれる研究はなかった。
結論
現在、プライマリーケアやその他の地域環境において、臨床的な家族性高コレステロール血症の可能性や疑いがある人をスクリーニングするのに最も適切な医療戦略に関するエビデンスは不足している。この臨床疑問に明確に答えるためには、遺伝子検査による家族性高コレステロール血症の確実な診断を伴った、よりデザインされた研究が必要である。
《実施組織》 杉山伸子、冨成麻帆 翻訳 [2022.05.23]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD012985.pub2》