レビューの論点
統合失調症やそれに関連する重篤な精神疾患を持つ人のための子育てプログラムはどのように効果的か?
背景
統合失調症の人の約3分の1は子どもを持つ親である。子育てプログラムは、子どもの行動を管理するために、親にサポートとトレーニングを提供することを目的としている。このグループを対象とした子育てプログラムは、親と子の両方に良い影響を与える可能性がある。本レビューでは、統合失調症やそれに関連する精神疾患を持つ人のための子育てプログラムに関する最新のエビデンスを収集し、そのような支援が子育てのスキルや親子関係の改善に有効かどうかを理解することを目的とした。
検索
2020年3月と2021年2月に、統合失調症または関連する重度の精神疾患を持つ人を対象とした子育てプログラムのランダム化比較試験を電子検索した。36件の研究が見つかり、これらがこのレビューと関連しているかどうかを確認した。
利用可能なエビデンス
1件の試験が包含する要件を満たしていたが、使用可能なデータを提供しなかった。したがって、統合失調症やそれに関連する精神疾患を持つ人に対する育児プログラムの有効性について、何かを知るための十分な確固たるエビデンスはない。
結論
統合失調症やそれに関連する重篤な精神疾患を持つ人のための育児プログラムについて推奨するには十分なエビデンスがない。今後の研究では、すでに設計されている子育てプログラムの効果を検証するために、厳密な研究を行う必要がある。
《実施組織》 阪野正大、杉山伸子 翻訳 [2021.10.25]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD013536.pub2》