食事の理想的なエネルギー量における脂質の割合と、それによる体脂肪との関連は明らかではない。本レビューは、減量を目的としない成人において、食事に含まれる脂質からのエネルギー割合を減らすことが体脂肪に与える影響を調べた体脂肪は、体重、体格指数(BMI)、腹囲、体脂肪率を用いて測定した。この科学的根拠(エビデンス)は2019年10月現在のものである。本レビューにより、脂質を減らした食事により、体重、ボディマス指数、脂肪率、胴囲にわずかだが測定可能な減少をもたらすことが得られた。その効果は、経時的に変化するものではなかったが、脂質摂取量を大幅に減らすことにより、体重を大幅に減少できることにつながった。総脂質量の削減による潜在的な害を評価したが、血中脂質、血圧、生活の質に有害であるエビデンスは認められなかった。
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訳注:
《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2020.12.28] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。《CD013636》