小児における慢性喘息の家族療法

著者の結論: 

家族療法は、喘息小児の薬物治療に対して有用な補助治療であるとするある程度の示唆がある。試験規模が小さく、アウトカム指標の選択における標準化が欠如しているため、この結論には限界がある。

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背景: 

小児期の喘息には心理社会的要因および情緒的要因が重要である。それでもなお依然として薬物治療単独が主な治療として施行され続けている。行動的または心理的介入を含めた治療プログラムが、重度の喘息小児を持つ家族でみられる家族関係のひずみを改善するために開発された。これらのアプローチは、小児期喘息を治療するための家族療法の有効性をさらに大規模な患者群での有効性を検討するために拡大されている。本レビューでは、これらの研究をシステマティックに検討する。

目的: 

喘息は情緒的障害を伴うことが認識されており、症状軽減における家族療法の役割および小児の喘息の影響についての検討へとつながっている。本レビューは、小児における喘息治療のための薬物治療の補助的治療としての家族療法を評価することを目的とした。

検索戦略: 

Cochrane Airways Group trials register、PsychlitおよびPsychinfoを検索した。検索は2005年1月現在のものである。

選択基準: 

喘息薬の投与とともに家族に焦点をあてた系統的な治療を受けた小児と、喘息薬のみの治療を受けた小児を比較するランダム化試験。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが研究をレビューに含めるべきかを評価した。

主な結果: 

合計55例の小児による2件の試験が本レビューに含まれた。使用したアウトカム指標に違いがあるので、これらの2件の研究結果を併合することはできなかった。1件の研究では、ガス量、ピークフロー値および日中の喘鳴は対照群に比して、家族療法患者群で改善が示された。もう一方の研究では、家族療法患者群において全般的臨床評価と機能的悪化日数に改善がみられた。両試験とも努力呼気肺活量にも薬物使用にも差はなかった。

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