タモキシフェンが卵巣癌が再発した患者に有効であることを示すエビデンスはない

卵巣癌は、症状が出る前に転移していることが多い。細胞障害性薬剤は、効果は限定的でしかないことが多く、重篤な副作用を引き起こす。再発した癌に対する治療の主な目的は、症状のコントロールと延命になる。ランダム化比較試験(RCT)または非RCTのデータが見つからなかったため、再発した卵巣癌の治療薬としてのタモキシフェンの有効性や安全性に関するエビデンスは得られなかった。タモキシフェンは、卵巣癌の女性に対する治療薬として有効かもしれないことが実験室での研究で示唆されている。卵巣癌が再発した少数の患者を対象に実施された対照群との比較をしていない試験では、タモキシフェンが腫瘍を縮小させるか増大させない可能性が示されたが、全生存期間、腫瘍の反応、症状コントロール、QOL、有害事象の観点から、タモキシフェンの有効性と安全性を結論付けるためのRCTまたは質の高い非ランダム比較試験が強く求められる。

訳注: 

《実施組織》杉山伸子、阪野正大 翻訳[2021.10.10]《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD001034.pub2》

Tools
Information