偏頭痛は一般的であるが、生活に支障を及ぼす頭痛障害である。ナツシロギク(Tanacetum parthenium L.)は片頭痛発作の予防に用いられる薬草剤である。前回のコクランレビューを更新するため、2015年1月までに入手可能な、ナツシロギクが偏頭痛を予防するか否かに関するエビデンスのレビューを実施した結果、561人を対象とする6件の試験を同定した。概して、これらの試験は異質性が認められ、結果に一貫性が認められなかった。前回のレビューでは、プラセボと比較してナツシロギクの明らかな有益性は示されなかった。本レビューでは、より大規模で高品質な試験を新たに追加した。ナツシロギクはプラセボと比較して1カ月あたりの片頭痛の発生頻度を半数強(0.6)減少させた。痛みの重度や持続時間には差が認められなかった。これらの結果は1件の中規模試験から得られたものであるため、他の厳密な試験で確認するまでは慎重に解釈しなければならない。本レビューの対象試験では、ナツシロギクに関連した重大な有害事象は認められなかった。
《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.11.24] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD002286.pub3】