ファーストライン予防薬としてのキサンチン系は、軽度から中等度の喘息のある小児の症状を軽減し、レスキュー薬の必要量を減少させる。ICSと比較して、増悪の予防に対する有効性は低かった。キサンチン系は単独予防薬として定期的なSABAおよびSCGと同程度に有効であった。AE(有害作用)に関するエビデンスは不確かであった。すなわち、全体的にAEの増加を示すエビデンスはあったが、特異的なAE(たとえば、行動および注意への影響)がプラセボよりも頻回に生じることを示すエビデンスはなかった。ICSへの追加的な予防治療薬としてのキサンチン系が有効であると確固たる結論を導き出すには入手研究からは不十分なエビデンスしかなく、この役割に関する小児を対象としたキサンチン系の代替法との比較研究はない。今回のデータから、キサンチン系はICSを利用できないの小児に対するファーストライン予防的喘息治療としてのみ適していることが示唆されている。評価された薬剤が試験前に投与されていたことから、試験対象集団がその薬剤に事前に忍容しやすくさせていた可能性があり、盲検化を脅かした可能性がある。キサンチン系はICSによってコントロールできないような重度の喘息の上乗せ治療としての役割があるようであるが、このことを検討し、その他の薬剤との比較によるリスク便益比を定めるための研究がさらに必要とされている。
キサンチン系は気管支拡張薬として喘息治療に使用されているが、抗炎症作用もあるようである。小児喘息の長期治療におけるキサンチン系の現時点の役割を再評価する必要がある。
小児喘息の維持療法におけるキサンチン系(例、テオフィリン)の有効性を明らかにする。
事前に定めた検索用語を用いてCochrane Airways Group Specialised Registerを検索した。検索は2008年5月現在である。
18ヵ月から18歳までの慢性喘息と診断された小児を対象に、4週間以上にわたってキサンチン系のひとつを、プラセボ、定期的な短時間作用型ベータ刺激薬(SABA)、吸入副腎皮質ステロイド(ICS)、クロモグリケート(SCG)、ケトチフェン(KET)またはロイコトリエン拮抗薬と比較していたランダム化比較試験。
2名のレビューアが本レビューに含める各研究を独自に選択し、データを抽出した。主要アウトカムは無症状日数の割合(%)とした。
36件の研究(参加者2838例)を含めた。