重度精神疾患を持つ人々の大多数は働きたいと考えており、彼らがこの目標を達成するのを支援することは、倫理的、社会的、そして臨床的にも切実な課題である。職業準備訓練、および援助付き雇用は、重度精神疾患を持つ人々が職を得るのを支援するための2つの異なるアプローチである。職業準備訓練の基本となる考えは、競争的雇用に就く前には準備期間が必要だということである。対照的に、援助付き雇用の基本となる考えは、競争的雇用への就職をできるだけ迅速に行い、その後に職場での支援と訓練を行うべきだというものである。この系統的レビューでは、援助付き雇用を行った人々は、職業準備訓練を行った人々よりも競争的雇用に就きやすいことを明らかにした(12ヶ月時点で、援助付き雇用群の34%が雇用されていたのに対し、職業準備訓練群は12%であった)。
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訳注:
《実施組織》 五十嵐百花 翻訳, 佐藤さやか 監訳 [2020.6.26] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域・司法精神医療研究部(以下、NCNP精研地域部;cochranereview.ncnpcmhl@gmail.com)までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。NCNP精研地域部では最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD003080》