本レビューから、喘息小児に対する心理的介入の役割について確たる結論を導くことはできなかった。本レビューは適正な根拠がないことを証明し、この分野において適切に実施され報告されるランダム化試験の必要性を強調している。
喘息は、炎症と気管支収縮などの平滑筋機能不全の慢性疾患である。これらの症状は広範囲であるが、自然にあるいは治療によって多くの場合、可逆的な気道閉塞を通常伴う。小児における喘息の症状と管理に心理的な因子がさまざまに影響することがあり、例えば感情的なストレスによって急性喘息や慢性喘息が突然おこることもあれば増悪することもあることを示唆するエビデンスがある。
喘息小児の健康と行動のアウトカムの改善における心理的介入の有効性を評価する。
Cochrane Airways Group Specialised RegisterとPsycINFOを、あらかじめ決めた用語で2005年5月まで検索した。
喘息の小児と青年において心理的介入の効果を対照介入と比較するあらゆる言語で発表されたランダム化比較試験を、本レビューに含めた。クロスオーバー試験は心理的介入を使用する研究には不適切であると考えられたので、システマティックなレビューから除外した。
2名のレビューアが電子的検索同定した抄録の妥当性を評価し、意見が一致した研究をさらに精査するために検索した。選択基準を満たした研究をまとめ、データを抽出した。
12件の研究(小児588例)が本レビューに含まれた。研究の質は不良で、サンプルサイズは小さいものが多かった。リラクゼーション療法のPEFRへの効果を検討する2件の研究のメタアナリシスが可能であり、治療群のほうに利益があった(32L/min、95% CI 13~50L/min)。介入と評価したアウトカムの多様性により、他にメタアナリシスを実施することはできなかった。その上、不十分なデータを報告していた研究が多かった。