本システマティックレビューでは、双極性障害の急性期治療におけるチアガビン投与の有効性および妥当性についてのエビデンスを、プラセボならびにその他薬剤と比較して検討しました。ランダム化比較試験は同定されませんでした。現在のところ、単独投与または併用投与のいずれの場合においても、双極性障害の急性期治療にチアガビンを使用することに関して、いかなる推奨を行うにも、その基盤となるエビデンスが不足しています。患者は高い割合で失神または痙攣のエピソードを呈しました。上記エピソードについて実態を解明した後、双極性障害の急性期治療におけるチアガビンの有効性および妥当性を検討するランダム化比較試験を実施する必要があります。
双極性障害の急性期エピソード治療におけるチアガビン投与に関するランダム化比較試験は同定されなかった。しかし、失神またはけいれん発作のエピソードを呈する患者が多数存在することが報告されている。双極性障害の急性感情エピソード治療におけるチアガビンの有効性および妥当性に関するさらなる調査では、報告された失神およびけいれん発作様エピソードの実態を解明し、存在するリスクのレベルを検討する必要がある。
双極性障害は、一般的に認められる高度に慢性化する再発性疾患である。リチウムおよびバルプロ酸など確率された薬剤を使用しても治療抵抗性が継続する。難治性の症例治療のためには、新規薬剤が求められている。いくつかのオープンラベル試験によって、抗けいれん薬であるチアガビンが双極性障害に有効である可能性が示されている。双極性障害の急性気分エピソードの治療で使用するには、ランダム化比較試験という形で、入手可能なエビデンスを明らかにする必要がある。
双極性障害の急性感情エピソード治療におけるチアガビンの有効性および容認性のエビデンスについてレビューする。
本更新版では、2012年10月までのCochrane Depression, Anxiety and Neurosis Group's Specialised Register(CCDANCTR-StudiesおよびCCDANCTR-References)を検索した。上記登録には、コクラン・ライブラリ(全年)、EMBASE(1974年~現在)、MEDLINE(1950年~現在)およびPsycINFO(1967年~現在)から入手した関連するランダム化比較試験が含まれている。また、関連する論文および主な感情障害の教科書の参考文献リストも検討した。我々は、ふさわしい発表済みまたは未発表の試験について、著者、同分野の専門家および製薬会社に連絡をとった。専門雑誌および学会の抄録をハンドサーチした。
18歳から74歳までの、成人の男性および女性で、双極性障害の急性期気分エピソードの治療として、チアガビンとプラセボもしくは実薬対照を比較したランダム化比較試験。
2名のレビューアが別々に、データ抽出および方法論的質の評価を実施した。分析では、二値有効性アウトカムにはリスク比を、連続アウトカムには平均差または標準化平均差を用いる計画であった。
本更新レビューでは、コクラン規準でランダム化比較試験を満たす試験は認められなかった。