急性脳卒中の嚥下障害に対する鍼治療が効果的かどうかを証明するより良くデザインされた臨床試験が必要である。脳卒中の結果、飲み込みに障害がある(嚥下障害)患者は、飲み込みが普通にできる脳卒中患者よりも生存期間が短く、身体障害を回避できない傾向にある。中医学の臨床現場でも、鍼治療はこの合併症に対してよく用いられている。急性脳卒中後の嚥下障害に対し、鍼治療を用いた現存するエビデンスのシステマティック・レビューを行った。小規模のランダム化比較試験1件のみ(参加者66例)が同定され、西洋医学の標準治療に鍼治療を追加しても、明らかな利益のエビデンスは認められなかった。小規模のサンプル・サイズおよび不完全な方法論を考えると、鍼治療の効果を決定するエビデンスは不十分である。今後もさらに研究が必要である。
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訳注:
《実施組織》厚生労働省「「統合医療」に係る情報発信等推進事業」(eJIM:http://www.ejim.ncgg.go.jp/)[2018.12.25] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、eJIM事務局までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。eJIMでは最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 【CD006076.pub2】