患者を定期的計画的に再来させること、危険因子と処方の構造化されたモニタリング、および患者教育は、コレステロールのコントロールや血圧が目標値内にある患者の割合を高めるのに有効であるとする弱いエビデンスがある。この分野の更なる研究は、アウトカムの評価をより強く標準化することにより有益なものになるだろう。
虚血性心疾患(IHD)は死亡および罹患の主要原因であり、その有病率は上昇状態にある。二次予防は、IHDが確定した人においてその後急性イベントが発生するのを予防することを目指している。個々の医学的介入やライフスタイル介入が有益であることは確立されているが、プライマリーケアや地域社会において二次予防ケアが提供される方法を改善しようとする介入の有効性はそれほど確立されていない。
サービス組織化介入の有効性を評価し、危険因子のレベルやモニタリング(血圧、コレステロールおよび食事、運動、喫煙、肥満などのライフスタイル因子)および適切な予防的薬物療法に関しての二次予防勧告への臨床医や患者の遵守を最も大きく改善させるのが、どのタイプのサービス変更やサービス変更のどの要素であるかを特定する。
Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL、コクラン・ライブラリ 2007年第4号)、MEDLINE(1966年から2008年2月まで)、EMBASE(1980年から2008年2月まで)およびCINAHL(1981年から2008年2月まで)を検索した。参考文献目録をチェックした。言語制限は用いなかった。
IHDが確立している人を対象としたプライマリーケアあるいは地域社会におけるサービス組織化介入のランダム化比較試験(RCT)か準ランダム化比較試験(QRCT)。
解析をコクランの勧告に従って行い、2値アウトカムに対してオッズ比(OR)(95%信頼区間(CI))、連続アウトカムに対して平均差(および95%CI)を報告した。
11件の研究(IHD患者12,074例)を選択した。定期的な計画予約、患者教育、構造化された薬物療法のモニタリング、危険因子などの介入により、12カ月後、総コレステロール値が勧告レベル内であった患者割合が高まったが(OR 1.90、(1.04~3.48))、有意な異質性が明白であった。目標値内にある血圧に関する結果は統計学的に有意かどうかは境界域であった。介入は、平均血圧やコレステロール値、処方、喫煙状態、肥満指数に有意な影響を与えなかった。食事に対する効果に関して入手可能なデータはほとんどなかった。危険因子管理があるレベルに達すると介入の有益な作用が消失する「天井効果」があるという示唆があった。