慢性狭心症に対する強化体外式カウンターパルセーション

著者の結論: 

本レビューにおいて、1件の関連試験を見いだしたが、参加者について、狭心症の重症度に関して、関心のある特性を十分に取り扱うことができなかった。最も重症な狭心症症状がある参加者が除外されていた。それゆえ、本研究の結果は狭心症患者集団の一部を代表しているに過ぎず、一般化可能でなく、慢性狭心症に対する強化体外型カウンターパルセーション治療の有効性について決定的でないエビデンスしか提供しない。

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背景: 

先進国と発展途上国において心血管疾患は主要な死因である。難治性の安定狭心症は概して通常の内科的治療が十分に奏効しない。強化体外式カウンターパルセーションは、難治性狭心症患者に対する非侵襲的治療であり、ふくらはぎ・大腿・上腕の周囲に圧縮性カフを配置して行う。拡張初期に血液を心臓に送るよう圧縮性カフを順次膨らませ、拡張終期にカフがしぼむと、血管は正常状態に戻ることができる。強化体外式カウンターパルセーションは、大動脈インピーダンスを減じ、それゆえ、一部の狭心症症状を緩和するのを助けることができると主張されている。

目的: 

慢性安定あるいは難治性安定狭心症の患者に対する健康アウトカムの改善に強化体外式カウンターパルセーションが示す効果を評価する。

検索戦略: 

コクラン・ライブラリ(2008年第1号)のCochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)、MEDLINE(1966年から2008年2月まで)、EMBASE(1980年から2008年2月まで)、LILACS via BIREME(2008年2月まで)、および、ISI Science Citation Index on Web of Science(2008年2月まで)を検索した。言語制限を用いなかった。

選択基準: 

ベースライン時にCanadian Cardiovascular Society重症度分類(CCSC)クラスIII~IVに分類される慢性安定狭心症か難治性安定狭心症を有していた成人(18歳以上)を対象として、強化体外式カウンターパルセーション治療と偽治療を比較しているランダム化比較試験(RCT)およびクラスターランダム化試験。

データ収集と分析: 

2人のレビューアが独自に論文を選別し、試験詳細を抽出して、バイアスのリスクを評価した。

主な結果: 

1件の試験(参加者139例)を本レビューに選択した。試験デザインと実施に関して方法の質が不良、レビューの主要アウトカムの報告が不完全、副次的アウトカムのフォローアップが限定的、および、その後の統計解析の欠陥が、報告されたデータの信頼性を損ねた。

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