お金は多くの人にとってインセンティブ(誘因)になる。統合失調症をもつ人の様々な行動を促進する実験的取り組みにも金銭的インセンティブが使われている。6つの試験が見つかったが、今回のレビューの焦点となった金銭的インセンティブとインセンティブなしを比較した試験は1件のみであった。この非常に小規模な研究は、1960年代初頭に平均で20年間入院していた患者を対象に行われた。明らかな効果は見られず、この古い試験から得られる結論は、そのような研究(金銭的インセンティブのありなしの条件で比較するような研究)が実施可能であること以外にほとんどなかった。より現状に即した研究が望ましいと考える。
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訳注:
※「インセンティブ(誘因)」とはその人に行動を起こさせるような外的要因である。 《実施組織》相田早織、五十嵐百花 翻訳, 佐藤さやか 監訳 [2021.3.22] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域・司法精神医療研究部(以下、NCNP精研地域部;cochranereview.ncnpcmhl@gmail.com)までご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。NCNP精研地域部では最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD007626.pub2》