多胎妊娠(双子、三つ子以上)の場合、一人の赤ちゃんを妊娠している女性(単胎妊娠)よりも母体の代謝率は高いため、高カロリーの食事は母体の栄養状態を維持するのにも役立つと考えられる。多胎妊娠は、単胎妊娠に比べて、女性と赤ちゃんの合併症のリスクが高いと言われている。特に、子宮内での赤ちゃんの発育不良、早産、低出生体重児が多くなる。
妊婦に高カロリーの特別食を与えることで、赤ちゃんの予後が良くなる可能性が示唆されている。しかし、人為的に体重を増加させても何のメリットもなく、母体にとっても不快な思いをさせてしまうかもしれない。また、太りすぎによる長期的な問題を引き起こす可能性もある。このコクラン・レビューでは、特別な食事と通常の食事を比較した質の高い比較研究、または特別な食事に関するアドバイスについて調べた試験を見つけることを目的としたが、見つからなかった。つまり、多胎妊娠の女性に特定の食事のアドバイスをすることが害よりも益になるかどうかを助言するランダム化比較試験によるエビデンスはない。
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訳注:
《実施組織》 小林絵里子、阪野正大 翻訳[2021.10.15] 《注意》この日本語訳は、臨床医、疫学研究者などによる翻訳のチェックを受けて公開していますが、訳語の間違いなどお気づきの点がございましたら、コクランジャパンまでご連絡ください。なお、2013年6月からコクラン・ライブラリーのNew review, Updated reviewとも日単位で更新されています。最新版の日本語訳を掲載するよう努めておりますが、タイム・ラグが生じている場合もあります。ご利用に際しては、最新版(英語版)の内容をご確認ください。 《CD008867.pub3》