喘息に伴うアレルギー性気管支肺アスペルギルス症に対するアゾール系薬剤

著者の結論: 

イトラコナゾールは少なくとも16週間にわって、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症に伴う免疫活性化を修正し、臨床アウトカムを改善させる。吸入ステロイドおよびイトラコナゾールによる副腎の抑制が関係している可能性がある。

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背景: 

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症は、喘息患者および嚢胞性線維症患者に合併する真菌アスペルギルス・フミガーツスへの過敏症である。アレルギー性気管支肺アスペルギルス症に対する治療は、依然として経口副腎皮質ステロイド薬が中心であるが、これは疾患の悪化を完全に抑えられないし、また肺機能低下も防止できないと考えられている。

目的: 

本レビューは、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症の治療に対するアゾール系薬剤の有効性を確認することを目的とした。

検索戦略: 

Cochrane Airways Group Asthma trials register、CENTRAL、MEDLINEおよびEMBASEを検索した。2008年5月現在、検索中である。

選択基準: 

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症に対するアゾール系抗真菌薬の有効性をプラセボまたはその他の標準療法と比較評価しているすべての比較試験をレビューした。嚢胞性線維症の患者は対象としなかった。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが独自に試験の質を評価し、データを抽出した。研究の著者に問い合わせて追加情報を得た。有害作用の情報は試験から収集した。

主な結果: 

試験12件を同定したが、前向きランダム化比較試験は3件のみであった。参加者計94名が選択さらた。試験1件から、400mgケトコナゾールを12ヶ月間連日投与した結果、疾患活動性の免疫学的マーカーおよび症状スコアの低下が認められた。肺機能に有意な改善はみられなかった。その他の試験2件では、16週間のイトラコナゾールの使用について評価されていた。うち1件では、痰中好酸球がプラセボで19%低下していたのに対してイトラコナゾールでは35%低下した(p<0.01)。同試験で、経口ステロイド薬を必要とする悪化の回数は、イトラコナゾール治療患者では一人あたり0.4回であったのに対し、プラセボ治療患者では1.3回であった(p<0.03)。両試験で得られたデータのメタアナリシスから、イトラコナゾール治療患者の方が、血清中IgE値が25%以上低下する可能性が高いことが明らかにされた(Peto OR 3.30;95%信頼区間(CI)1.30~8.15)。

訳注: 

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