小児における喘息および喘鳴の長期コントロールのための単独薬あるいは追加薬としてのケトチフェン

著者の結論: 

軽症~中等度の喘息の小児において、ケトチフェンは、単独あるいは他介入との併用で、喘息および喘鳴のコントロールを改善することがランダム化比較試験からのエビデンスによって示されている。しかし、一部の試験ではアトピーの小児の割合が高かったため、必ずしもこの結果をすべての喘息の小児に一般化することはできない。これらの利益は軽微な副作用、すなわち鎮静と体重増加という代償を払って得られる。この結論の妥当性は、報告された方法論的な質が低いことにより限定される。

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背景: 

ケトチフェンは、喘息を治療するために用いられることがある抗ヒスタミン薬である。幼児への吸入治療は困難であることがあるので、ケトチフェンのような経口薬が有効であるようである。

目的: 

本レビューの目的は、喘息や喘鳴のある小児において、ケトチフェンは、単独あるいは他の介入との併用でより良好な喘息コントロールを生じるかを明らかにすることおよび/またはその安全性プロフィールを検討することである。

検索戦略: 

Cochrane Airways Group Specialised Register of trials、CENTRAL、および論文の参考文献リストを検索した。最新の検索は2010年5月に行った。

選択基準: 

喘息および/または喘鳴のある小児を対象として、経口ケトチフェンとプラセボを1 mg/日以上の用量で8週間以上にわたって比較したランダム化比較二重盲検の臨床研究とした。

データ収集と分析: 

2人のレビューアが独自に試験の選択、質の評価、およびデータ抽出を行った;必要であれば、3人目のレビューアが合意までの過程に参加した。

主な結果: 

合計26件の関連性のある研究(参加者1826例)を本レビューに選択した。小児の年齢の範囲は4カ月齢から18歳までであり、ケトチフェンの投与期間は10~32週間であった。4件の研究に基づくと、投与12~16週間以内に気管支拡張薬の使用を減らすまたは止めることができた小児の割合はケトチフェン群で有意に高かった(相対リスク2.39、95%CI 1.64~3.48);この結果は、十分に記述され盲検化の方法が適切であった2件の試験のサブグループにおいて統計学的に有意であった。ケトチフェンの統計学的に有意な利益効果は以下の副次的アウトカムでも観察された:医師により評価された有効性(10件の試験)、両親/患者により評価された有効性(7件の試験)、喘息症状スコア(4件の試験)、喘息増悪(2件の試験)、経口ステロイド使用の減少(4件の試験)。しかし、十分に記述され盲検化の方法が適切であった試験のサブグループ解析は、アウトカム喘息症状スコアに対してのみ有意であり、残りの副次的アウトカムに対しては有意でなかった。報告された副作用の発現頻度はケトチフェン群(鎮静21%、体重増加27%)においてプラセボ群(鎮静12%、体重増加17%)におけるよりも高かった。

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