大腸手術に対する予防的吻合ドレナージ

著者の結論: 

大腸吻合後のルーチンのドレナージが吻合部およびその他の合併症を阻止するることを示すエビデンスは不十分である。

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背景: 

多くのランダム化臨床試験にもかかわらず、待期的大腸手術における吻合部のドレナージの予防的使用についての同意はほとんど得られていない。これらの試験結果は一致せず、個々の研究の質および統計学的検出力には疑問があるとされてきた。吻合部の縫合不全が起これば、治療目的でドレナージを使用する必要があることは一般に同意がみられている。しかし、このような同意は予防的使用についてはみられない。

目的: 

大腸手術後のルーチンのドレナージと非ドレナージの両レジメンの安全性および有効性を比較する。以下の仮説を検証した:待期的大腸手術後の予防的吻合ドレナージの使用は、合併症の発現を阻止しない。

検索戦略: 

CINAHL、EMBASE、LILACS、MEDLINE、Controlled Clinical Trials Database、Trials Register of the Cochrane Colorectal Cancer Groupおよび参照文献リストから、研究を同定した。

選択基準: 

待期的大腸手術における吻合後のドレナージと非ドレナージの両レジメンを比較したランダム化比較試験をレビューした。アウトカム指標は次の通りであった。1.死亡率、2.臨床所見による吻合部離開、3.X線所見による吻合部離開、4.創傷感染、5.再手術、6.腹部以外の合併症。

データ収集と分析: 

2名のレビューアが別々にデータを抽出し、クロスチェックした。各試験の方法論的質を評価した。ランダム化の詳細(方法および割付の隠蔽化)、盲検化、および追跡不能患者数を記録した。RCTは、臨床的均質性(外的妥当性)に従い、実験群に基づいて層別した。

主な結果: 

登録された患者1140例(6件のRCT)の内、573例がドレナージ、567例が非ドレナージに割り付けられていた。ドレナージ群に割り付けられていた患者は、非ドレナージ群に割り付けられていた患者に対し、以下の通りであった。a)死亡率3%(患者573例中18例)に対し4%(567例中25例)、 b)臨床所見による吻合部離開2%(522例中11例)に対し1%(519例中7例)、c)X線所見による吻合部離開3%(522例中16例)に対し4%(519例中19例)、 d)創傷感染5%(573例中29例)に対し5%(567例中28例)、e)再手術6%(542例中34例)に対し5%(539例中28例)、f)腹部外合併症7%(522例中34例)に対し6%(519例中32例)。

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