選択した3件の試験における小児の間歇性および持続性アレルギー性鼻炎治療を目的としたベコナーゼ®およびフルニソリドの鼻腔内投与の有効性に関するエビデンスはやや弱いものであり、信頼性を欠いた。試験実施者により評価されたような症状の重症度の軽減は、提示されたデータからは確認できなかった。これらの薬物の使用に関する決定は、さらに頑健なエビデンスが入手できる時まで、医師の臨床経験および患者個人の状況と好みに従って行われるべきである。
アレルギー性鼻炎は極めて一般的な慢性疾患であり、世界的には小児の10%から40%が罹患している。過去20年間に小児の有病率は著しく上昇し、アレルギー性鼻炎の増加に平行して喘息などの併存疾患が増加している。
小児の間歇性および持続性アレルギー性鼻炎に対する点鼻用ステロイド薬による治療の有効性および有害事象プロファイルを評価する。
2005年9月5日時点で、Cochrane Ear、Nose and Throat Disorders Group Trials Register、Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ2005年第3号)、MEDLINE(1950年以降)およびEMBASE(1974年以降)を検索した。CINAHL、mRCT(比較試験のメタデータベース)、NRR(National Research Register)、LILACS、MedCarib、KOREAMED、IndMed、Samed、Panteleimon、Zetoc、ISI Proceedings、GlaxoSmithKline Clinical Trials DatabasならびにAstraZeneca、Schering PloughおよびAventisのウェブサイトも検索した。
小児のアレルギー性鼻炎に対して処方された点鼻用ステロイド製剤のそれぞれを比較した、またはプラセボを比較したランダム化比較試験。
2名のレビュアーが別々に、試験の質および対象となった試験からの抽出データを評価した。報告されたデータの質は限られており、またばらつきもあることから、結果の統合は行うことができなかった。記述的要約のみを示す。
参加者計79例を対象とする3件の試験を選択した。3件の試験はすべて、通年性アレルギー性鼻炎に対して点鼻用ステロイド薬とプラセボを比較したものであり、限られたデータではあったが、主要アウトカムに関連性のある幾つかのデータを示していた。しかし、2件の試験のデータ分析には不備があり、残りの1件は理解不可能であった。副次的アウトカムと関連性のあるデータを示した試験はなかった。いずれの介入についても有害事象の報告はなかった。