脳卒中後の運動失行に対する介入

著者の結論: 

脳卒中後の運動失行に対する特定の治療介入の有効性を支持または否定するにはエビデンスが不十分である。さらに高い質の研究が必要である。運動失行患者が通常のリハビリテーションによって利益を得るかどうかについてはレビューしなかったが、患者に対する通常の脳卒中リハビリテーションサービスの提供は続けられるべきである。

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背景: 

運動失行は脳卒中後に起こり得る認知障害である。運動失行によって、それまでに習得した行為動作が遂行できなくなってしまう。運動失行に対する治療として様々な介入が行なわれているが、その利益に関してはエビデンスに欠けている

目的: 

運動失行に対する治療介入のうち、どの方法が障害を軽減するかを判定する。

検索戦略: 

Cochrane Stroke Group Trials Register(最終検索2006年11月)を検索した。さらに以下のデータベースを検索した:Cochrane Central Register of Controlled Trials(CENTRAL)(コクラン・ライブラリ 2006年第3号)、MEDLINE(1966年~2007年11月)、EMBASE(1980年~2006年11月)、CINAHL(1982年~2006年11月)、PsycINFO(1974年~2006年11月)、Research Index of the Occupational Therapy Journal(2006年11月に検索)、REHABDATA(1956年~2006年11月)、National Research Register(2006年11月に検索)、Current Controlled Trials Register(2006年11月に検索)。関連性があると同定したすべての論文の参考文献リストをレビューした。さらに、主要な著者および雑誌に書面で問い合わせて発表済みおよび未発表の試験を探すことを試みた。

選択基準: 

脳卒中後の運動失行に対する治療介入のランダム化比較試験。

データ収集と分析: 

1名のレビューアが標題、抄録、キーワードを検索した。4名のレビューアがデータを抽出し、試験の質を解析した。必要に応じて試験の詳細情報について研究者に問い合わせた。

主な結果: 

計132名の参加者を対象とした3件の試験が含まれた。日常生活動作の変化について報告している2件の研究(参加者102名)では、わずかな一時的な治療効果を示すエビデンスがあったが、この効果は臨床的に有意であるとはみなされず、その後の長期追跡調査時点まで持続していなかった。

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